貧血予防には?
妊娠中は、母子ともに、たくさんの血液や栄養素を必要とします。
そのため起こりやすいのが、貧血です。
貧血には種類があって、鉄分不足で起こるのが鉄欠乏性貧血、葉酸不足で起こるのが巨赤芽球性貧血(葉酸欠乏性貧血)です。
妊婦さんの約80%に貧血症状が出る、と言われているんですよ。
妊婦さんに多く見られるのは、葉酸の欠乏で起こる方の貧血です。
特に妊娠初期の妊婦さんは、鉄欠乏よりも葉酸欠乏の方の貧血が多いといいます。
赤ちゃんの体作りなどに葉酸は多く使われるので、葉酸不足になりやすいんです。
葉酸にはビタミンB12と一緒になると、赤血球を作ることができるという作用があります。
そこから、葉酸が不足すると造血に異常を来たしてしまうんです。
そうすると、赤血球の出来損ないともいえる、巨赤芽球というものが蓄積されます。
巨赤芽球には赤血球の役割がなく、血流で酸素や栄養を体中に届けるということができなくなります。
その結果、妊婦さんの貧血に繋がります。
鉄欠乏性貧血の症状は、めまい、立ちくらみ、などで、鉄分を補えば治まるとされます。
葉酸欠乏から起こる巨赤芽球性貧血ですが、これは酷いものになると、めまい、立ちくらみだけでは済まず、舌炎、味覚異常、下痢、体重減少、うつ症状なども起こすことがあります。
葉酸は、妊娠初期には特に必要です。
赤ちゃんの先天性異常のリスクを低減できるということから、妊婦さんには1日当たり400μgの葉酸摂取が望ましいとされます。
血液にも重要な役割のある葉酸ですから、母体のためにも、お腹の赤ちゃんのためにも、必要量をしっかり摂取してください。